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網膜ディスプレイ、ブラザーが2010年に発売へ - ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/04/news076.html



 ついにきました。ヘッドマウントディスプレイ、すなわち通称HMD(Head Mounted Display)の次世代に位置するであろうと目されている、ブラザー工業開発の新技術である網膜走査投影式のヘッドマウント型ディスプレイ、その実用化のめどが立ったようです。

 技術自体は今年の年度始めのあたりに一般向けに発表されており、今回の発表においては、残念ながらとりわけ新しく目を惹く情報は見当たりません。

 ですが、トレたま(テレビ東京系WBSのいちコーナー)でも紹介され、さらに今回のリリースがヤフーのトピックスにも取り上げられたことを鑑みると、どうやら今度こそは、ノーマルな方々からの興味を喚起させることができそうです。

[参考]
網膜に映像を投影する眼鏡型ディスプレイ、ブラザーが開発 - ITmedia News http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/15/news021.html


 さて、これは非常に目ぼしいニュースです。何せHMD市場は次世代のモバイルには欠かせないといわれ続け、早数十年が経過した、いわば実現証明を提示できていない技術の一つとなってしまっているのが現状です。

 実際に現段階においても、一般向けに入手可能な状態で販売されているにも関わらず、認知ベースですら、普及しているといえるような水準には達していません。そもそもこんなものがあるということすら、知らない人がほとんどです。

 それでは何故、それほどまでに“売れない”のでしょうか。


 残念なことに、その答えを説明する為に、あまり多くの言葉を必要とはしません。至極単純に、性能が実用に堪えうるレベルに達しておらず、さらに値段も高すぎるのです。
 これではアレゲな方を除けば、誰も買う気にはならないのは当然でしょう。そもそも商品のジャンル自体が、万人向けではないことだけは確かなのですから、現段階で普及している絶対数は非常に限られてくることになります。
 
 そこで待たれているのが、費用対効果の改善と、性能の向上です。実のところ、コストパフォーマンスを改善するのは案外簡単なことで、時間が経てば様々なチップや半導体の価格等も下がってくる為に、価格の話だけで言えば、これは自浄的に改善されていくはずです。


 では、何故、性能が向上していかないのでしょうか。これも答えは簡単です。

「既に小さいから、もうこれ以上なかなか小さくならない」

という話なのです。


 残念なことに、現状の仕組みのHMDは、一種のプロジェクタとして設計されています。内部には小さいけれど、とてつもなく精細な液晶パネルが仕込まれており、そこに光を投射して、その先のスクリーン(メガネのレンズ等)に投影しているだけなのです。

 その為液晶部は非常に小さいスケールで生産されなくてはならなくなり、液晶の性質上、ある地点で物理的特性により限界が見えてきてしまいます。
 そんなわけで、最大限の技術を投入したとしても、技術的・経済的な見返りはとても小さく、市場が小さく儲けの出にくいHMD市場においては、これ以上の技術刷新は期待できないと考えられてきました。


 そこで突如白馬に乗った騎士として現れたのが、ブラザー工業の「網膜走査技術」です。ブラザーといえば一般的に、プリンタやFAX複合機で知られているメーカーですが、そんな会社がHMD事業に突然、名乗りを上げたのです。そして参入したその理由はずばり、「レーザープリンタの技術が応用できたから」というトンデモなものだったのです。この発表には誰もが驚かされました。
 
 この技術は網膜走査ディスプレイ(RID:Retinal Imaging Display)と呼ばれているらしく、現状において、世界でもブラザー工業にしかない技術なのだと思われます。従来のHMDと比較すると、消費電力が小さく、色再現性に優れ、投影スクリーンが別途必要ではなく、製品自体のサイズも小さく作ることが可能、と良いこと尽くめなのが印象的です。


 ひとまずは法人向けに提供されるとのことですので、まだ一般消費者たちのもとへ行き渡るということはありませんが、 “本当に外で使えるHMD”という点においては、今から期待せざるを得ないところです。
 
 なんだかもしかしたら、ついに時代がバーチャルボーイに追いついたということなのではないかと、ふと思わされてしまったニュースでした。

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